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考える力を育む図鑑GET!

図鑑とはなんでしょうか?

図鑑は、生物学の一分野であり、生物を分類することを目的とした分類学の研究者や専門家が、種を同定(種名を調べること)する時の手助けとするために作られた書物です。それを一般の方向けに、さらには子ども向けに出版されるようになったのが、現在の学習図鑑です。今、日本にある学習図鑑が「分類別」に章立てされているのは、もともと図鑑が分類学の補助のために作られた書物であったことの名残だと思います。

では、子どもたちは何を知りたくて図鑑を読むのでしょうか? 大人たちは何を届けたくて子どもに図鑑を与えるのでしょうか?

ゼロから子どものための図鑑を考えた時に、「分類別」ではない、まったく新しい図鑑が作れるのではないか?

KADOKAWAの図鑑プロジェクトは、当たり前だと思われていた「分類別」図鑑に対する疑問からスタートしました。

分類別ではない図鑑――その答えは、ある子どもとの会話の中で見つけました。

「ティラノサウルスとプテラノドンは同じところに生きてたんだよ。知ってた?」

その子の手に握られていたのは、トリケラトプスの恐竜カードでした。なぜティラノサウルスとプテラノドンが出てきたのか?と聞いてみると、そのトリケラトプスのカードの背景を指さしました。よく見ると、遠くの空にプテラノドンらしきものが飛んでいました。

「トリケラトプスとティラノサウルスは戦うんだよ。だからだよ」

彼女が言うには(その子は5歳の女の子でした)、

①トリケラトプスとティラノサウルスはよく戦っている。絵本で読んだ。

②トリケラトプスがいるお空にプテラノドンがいる。

③ということは、ティラノサウルスとプテラノドンもいっしょにいるに違いない。

ということだそうです。

私は5歳の子どもがそこまで物事を関連付けて考えられることに驚きました。同時にこれこそが図鑑を通して身に付けてほしいことなのではないか、と思いました。生き物を分類別(●●目、●●科)で学ぶことよりも、その生き物がどんな場所に生き、別のどんな生き物といっしょに生きているのかを考えることのほうが大切なのではないか? 「生息地域別の図鑑」を思いついた瞬間でした。

「生息地域別の図鑑です」と説明すると、「世界の地理や環境への知識が深まる」という部分がクローズアップされがちなのですが、それらは副産物だと思っています。大好きな恐竜や昆虫や動物を通じて、いっしょに生きている生き物同士の関連性を知ってほしい、その学びを通じて物事を関連付けて考える力を身に付けてほしい……そう考えた時に、生息地域別という構成がいちばん適していた、ということだと思います。

「関連付けて考える力」が身に付くと、知らないことにぶつかっても、知っていることから類推することができるようになります。それができるようになると、教わったことだけではなく、自ら学べるようになります。

受動的に“知る”のではなく、能動的に知識を“手に入れる”。

そうやって知らないことに対して臆することなく、手を伸ばしていけるようになってほしい。

レーベル名である「GET!」には、そんな思いを込めています。

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